「スペイン滞在報告記①」の続きです
北スペインの小さな村に滞在していた間、友達が
「ピレネー山脈を探索しようよ!」と車でドライブに連れていってくれました。
村々に敷き詰められた石畳の街道、山に点のように見える牛や羊たちの群れを見ていると、
「日本の〝 田舎〟とどう違う?」と聞いてくる友達に対し、どう答えたものかとどんどん頭を抱えてしまうのでした......。
まずスペインの山についてですが、大雑把に言えば私が今回滞在した北部を除けば、日本のように緑に覆われた山が延々と続くような光景はあまり見られません。
国内をバスや列車で移動している間は、、時折ブドウやオリーブの畑や、小さな町、一部だけ緑に覆われた山が時折見えるものの、草木がなく地肌が露出し、荒涼とした土地が広がる光景をずっと眺めることになります。
これは天気予報を見る必要がほとんどないくらいに雨が少なく、乾燥した気候によるものだそうです。
↑スペインの車窓から(マドリッド付近)
しかし、今回私がいたスペイン北東部には、雨が多く、緑豊かな山々が広がる地域もあります。
ただ、緑豊かな山が広がっていても、実際に山を散策してみると東城の山とは随分違った印象を受けます。
緑がある場所をよく見ると、平らな場所には牛が、傾斜が厳しいそうなところには羊やヤギの群れがポツポツと点のように見えることがよくあります。
↑緑豊かな北部。小さな村が点在していて、必ず教会とバル(立ち飲み居酒屋)があります。
ただ、緑豊かな山が広がっていても、実際に山を散策してみると東城(広島県庄原市東城町の山とは随分違った印象を受けます。
山の中は下草がそれほど生えてなくて、歩いていると牛や羊、ヤギ達の首輪に付いている鈴の音がどこからか聞こえてきます。(移動中の群れに会うことも)
ちなみにスペインでは蚊に会うことは全くないですが、家畜の糞のせいかハエがたくさんいます。
日本の山を歩いてる方が、緑がうっそうと生い茂っていて、色々な虫や植物に出会うような印象でした。
↑放牧された牛と鉢合わせて足止め中(ピレネー山頂付近)
↑ピレネー山脈を流れる川は青色。川の色ってどうやって決まるんでしょうか?
昔ながらの景観を守るため、駐車場はあまり作らないそうです。(農村部でも都市部でも)
ちなみに、いかに外観を古くみせるかが、最近の家の流行だそうです。
スペイン人の友達にほぼ緑一色で染まっている東城の航空写真をみせたところ、
「東城って、森でいっぱいなんだね!」
と言われました。
山ではなく、森が多い、というのはあまり言われたことがないですが、スペインにいるとなんとなくその言い回しに納得がいきます。
「山=木が生えている」というイメージは、どんな人たちまで共有できるのかなぁとスペインで考えさせられてしまいました。
↑ピレネーの道中には小さな村が点在し、ローマ時代に造られた道や石橋もまだ残っています。
スペイン人に、草刈りの大変さや、「一面緑だけど、牛や羊、ヤギがそこらに歩いていない山」を説明するのは中々骨が折れます。
皆さんなら、外国の人にどうやって比婆の暮らしを説明しますか?
by ATSUKI KADONO