すっかり暖かくなった比婆地方(広島県北東部エリア)は春本番!
山のあちこちで山桜やこぶしが花を咲かせ、まさに「山笑う」季節となりました。
なかでも、広島県庄原市東城町の2つの巨樹、森湯谷(もりゆだに)のエドヒガンと、粟田末政のコブシの大木が堂々と咲き誇り、ちょうど見ごろを迎えています。
まずは、桜の見ごろ「森湯谷のエドヒガン」(広島県庄原市東城町森520-1)
こちらは、東城三本さくらとしても有名な桜の巨樹です。
根回り周囲5.2m、胸高幹囲4.85m、樹高約25m。推定樹齢は300年。
近くで見るとその存在感は、圧倒的。
地域の人たちによって環境整備され、大切に守り継がれています。
そしてもうひとつの見ごろ!「粟田末政のコブシ」(広島県庄原市東城町粟田2446)
根回り周囲1.9m、胸高幹囲1.65m、樹高約20m。コブシとしては、これほどの大木は珍しいそうです。
コブシは、北海道から九州までの山地に分布しているようですが、広島県での自生は県北部に限られています。
古来、コブシは、その開花が農作業を始める目安とされていますが、比婆地方では花がたくさん咲く年は豊作であると言われています。
コブシはもくれん科の落葉高木で、雪のように白い六弁花を咲かせます。花や木は手折(たお)ると芳香があり、香水の原料にもなるそうです。
2つの巨樹の咲き比べ・・・、ぜひ真近で本物を見比べてみてください。
それぞれの巨樹のパワーを、きっと感じることができるはず!
by RIE KIKKAWA
参考文献:『東城町史 自然環境考古民俗資料編』(東城町 1996年)