比婆郷土料理研究会のスピンオフ企画第2弾!「名工探訪」前回に続く旅の続編。
2015年9月26日、イートローカルプロジェクトのメンバーと参加者7名で島根県仁多郡奥出雲町の「名工探訪」に出掛けました。
前回ご紹介した「奥出雲のとうふ屋 石田食品」の次に訪れた名工は「森田醤油店」。
森田醤油店の醤油は、昔ながらの製法を守り、国産の丸大豆と国産の小麦を使って、木桶蔵でじっくり熟成させてつくる天然醸造です。
14時スタートの醤油蔵見学ツアーに参加することに。
森田醤油店では、麹づくりから熟成までを自社の蔵で行っています。
社長の森田さんは「自分の子供が食べても安心な商品作りで、自分が100点満点と思えるものをつくりたい。」と話されていました。
醤油づくりの工程と、森田醤油店でつくられるそれぞれの醤油「薄口しょうゆ」「濃口しょうゆ」「再仕込みしょうゆ」の違いについて詳しく教わりました。
それぞれの味の違いを確かめるべく、利き酒ならぬ「利き醤油」。比べてみると確かにそれぞれ色や味、風味が全く違います。
濃口醤油は、薄口醤油に比べて、じっくり熟成しているのでその分味に深みがあります。
生醤油は加熱殺菌していない搾ったままの醤油。
醤油は、最初に加熱するときが一番香りが良いそうで、「火を通していない生醤油は、チャーハンのときに最後に垂らすと香りが出てとってもいいんですよ。」と森田さんに教わり、そのチャーハンをイメージしてみると・・・。
絶対、美味しそう!
再仕込み醤油の「三年熟成しょうゆ」は、塩水の代わりに醤油で仕込んで、じっくり熟成させてつくるそうで、複雑で濃厚な味わいです。
醤油と一言でいっても、じつはさまざまな種類があって、その特性を知って使い分けることで、より料理が引き立ち、その味を楽しめそうです。
そして、いよいよ醤油蔵の中へ。すでに入口あたりで、醤油のいい香りがしてきました。
木桶蔵には昔からの酵母が梁や柱に住みついているそうです。
原料の大豆の7~8割が島根県産で、残りは広島県産と山口県産のものを使っているそう。100%国内産丸大豆を使用しているのです。
もちろん、小麦もすべて国内産。
木桶蔵でじっくり熟成。もろみが木桶の中で発酵を続けています。
搾りたての醤油。
みんな利き醤油のときに気に入ったお目当ての醤油を購入しました。自家製の米麹だけでつくられる貴重な甘酒も買いましたよ。
原材料にこだわり、丁寧に作られる森田醤油。おすすめです。
森田醤油店(島根県仁多郡奥出雲町三成278 営業:8:30~18:00 日・祝休み)
そして、旅の最後に訪れたのは「雲州忠善刃物うんしゅうちゅうぜんはもの」。
古来の製鉄法「たたら」の地、奥出雲で4代続く鍛冶職人の一門です。
日本刀にも使われる玉鋼たまはがねの原料となる”真砂砂鉄まささてつ”。それを基にして造られる「やすきはがね」を材料にして、手打ちの刃物をつくっています。
鍛冶職人の川島さんに刃物ができる工程を説明してもらいました。
この日は、包丁などの日常使いの刃物が、軒先にずらーっと並べられていました。
いろいろな包丁を前に、どれを買うか真剣に悩んだ末、メンバーに一番人気だったのは、なんにでも対応できる「万能包丁」でした。
ほかにも山仕事に欠かせないナタや猟の際に使うナイフもありました。
高度な伝統技術で丁寧につくられた刃物を日常使いできるのはとても贅沢ですね。
購入した包丁は、これから比婆郷土料理研究会や男ディナーでも活躍まちがいなしでしょう。
雲州忠善刃物(島根県仁多郡奥出雲町三成711-3 営業:8:00~17:30)
甘いものが食べたい!と帰る途中で立ち寄った「奥出雲讃菓 松葉屋」(島根県仁多郡奥出雲町下横田128-25)。
人気のお菓子「噂の生どら」期間限定のいちじく味をいただきました。フレッシュないちじくと生どらのふわふわの生地がよく合います。
晩ごはんには、石田食品のお豆腐に森田醤油店の生醤油をかけて・・・。その日出会った職人さんたちを思い出しながら、美味しくいただきました。
食や工芸品の原点を知るとっても良い機会。次もまた絶対行こう「名工探訪」へ。
今回参加したイベントは・・・
「名工探訪2015秋」
ふるさと未来希望図プロジェクト実行委員会主催。島根県雲南エリア、奥出雲エリア、宍道エリアの20の工房を訪ねることができるオープンアトリエイベント。
2015年9月26日・27日の2日間開催。職人さんと話をしたり、工房を案内してもらえる。もちろん商品を直接買うこともできる。
by RIE KIKKAWA
その他のおすすめ関連記事