比婆地方(広島県庄原市)では、8月13日の迎え盆、そして8月16日の送り盆に、庭先やお墓でこえまつの割り木を焚きます。
先祖の霊を迎える「迎え火」と見送る「送り火」です。
こえまつは肥松と書き、火をつけるとすぐに燃えはじめる天然の着火剤とでもいうべき優れもの。
実は、肥松は松といっても松の種類のことではありません。
アカマツやクロマツの枝の根元や根の近くになんらかの理由で松ヤニがたっぷりしみ込んだ松のことで、切ってみないと肥松かどうかわからないのです。
昔は山しごとの際に、この肥松を見つけると「当たりだ!」と言って喜んで持ち帰っていたそうです。
でも、今では山でこの肥松を手に入れることが難しくなっているそうで、今や貴重品なのです!
お盆が近づくと、店先には束になった肥松の割り木が並びます。
焚くと黒い煙と独特の香りが・・・。
お盆に肥松を焚く風習・・・、これからも残していきたい夏の風景です。
by RIE KIKKAWA