2015年5月16日に比婆郷土料理研究会、初のスピンオフ企画『初夏のころの野草摘み』を行いました。
朝8時に、山菜採りの現地(広島県庄原市東城町)に集合したイートローカルプロジェクト5人のメンバー。
タキミズナ(ウワバミソウ)やクサギナなどの初夏の山菜を採りに、さっそく林の中へ・・・。
今回の山菜採りは、収穫そのものより、山菜が自生している様子を実際に見ることと、山菜の名前を覚えることが目的です。
しっかり見て、覚えて帰りますよ。と、意気揚々。
タキミズナ(ウワバミソウ)
山深い所で、滝が流れるような清流近くに自生するということから、地元で「タキミズナ」と呼ばれています。茎の部分を食べます。
群生していることが多いようで、茎の太いものを選んで採ります。引き抜くと根っこごと抜けてしまうので、カマやはさみで根元を切りとって収穫します。
葉を落として茎の薄皮をむいてさっと熱湯(ひとつまみの塩を入れる)で茹でてきれいな緑色になったら、あげて水にさらします。
しゃきしゃきした食感で、クセがありません。料理だったらなんにでも合いそうです!
山あざみ
葉のトゲに注意して包丁などで切って葉を落とし、中心の軸を食べます。
適当な大きさに切ってから、熱湯(塩をひとつかみ加える)でさっと茹で、薄皮をむきます。
豚肉と一緒に、ごま油で炒めものにするとおいしいそうです。
ミツバ
スーパーでもよく見かける「ミツバ(三つ葉)」ですが、自生のミツバはとっても大きい!
自生しているものは香りも強いんですよ。
クサギナ(くさぎ)
比婆郷土料理研究会でも利用したことのある食材「クサギナ」。比婆地方で郷土料理と言えば、クサギナは欠かすことのできない食材です。
今まで、保存用に乾燥したものしか見たことがなかったのですが、初めて生の葉を見ました。
漢字で「臭木(くさぎ)」と書くように、強いにおいを持っているのが特徴です。
「昔、軒先でクサギナを茹でると、そのクサいにおいに酔ったツバメのヒナが巣からバタバタ落ちてきた」というものすごい逸話を持っています。
生の葉のにおいを、恐る恐る嗅いでみると・・・、確かに、「クサい!!」
ほんと独特の香りです。
葉を熱湯で茹で水にさらした後、かたく絞りひろげて天日でしっかり乾燥させます。
乾燥させてから、1年ぐらい経ったもののほうが美味しいといわれています。ちなみに乾燥させると
独特のにおいは無くなって、とても美味しく調理できます。
山ウド
大きな山ウドです。
実は食用には、10~20cmぐらいの高さで、葉が少し広がり始めた若芽がおいしいそうです。なるべく太めで根元が白いものを選びます。自生のものは香り高くて、力強い味です。
茎は皮をむいて、酢水にさらすとアクが抜けて白くなります。スティック状に切って、酢味噌で生のまま食べるのがおすすめ。
葉は、天ぷらにして食べます。
ヤマドリカクシ(クサソテツ)
山菜としてはヤマドリカクシの新芽「こごみ」のほうがよく知られています。食用にはこの「こごみ」を用います。
これは、葉が生長して大きくなったもの。
他にも、ムコナ(写真)、山ブキ、オオバコ、シンザイ、山ゼリ、アカザなど色々な種類の山菜を見つけました。
採れた山菜を持ち帰り並べたあと、比婆郷土料理研究家の小林富子さんからそれぞれの山菜のついて教わりました。
採った山菜を上手に長期間保存するため、昔から様々な方法があったそうです。
比婆郷土料理研究家小林富子さんに教わる「山菜の上手な保存方法5つ」
長期間(半年から1年)保存用
1.乾燥させる
一度茹でたあと天日でしっかり乾燥させる。ポリ袋に入れて乾燥剤を一緒入れておく。
2.塩漬けにする
材料の25~30%(g)の塩で漬ける。2か月後にアクで黒ずむのを防ぐため必ず漬けかえる。
3.つくだ煮にする
しょうゆ味にして、はじめ強火で、沸騰したら弱火にしてコトコト煮る。
4.冷凍にする
さっとゆでて冷まし、ポリ袋に入れ密閉して急速に冷凍する。
5.水煮にする
固めに下茹でする。冷水にさらした後、ビンに入れ1%の塩水を加える。脱気と殺菌をする。
身近にありながら、実はよく知らない山菜。
これを機会にさらに山菜のことをよく知って、食卓にもっと取り入れられるようになるといいですよね。
これからも比婆郷土料理研究会では、郷土料理でもある山菜料理を学んでいきたいと思います。
※山菜の採取は、その土地の持ち主の許可が必要です。
※必要な分だけで、ムダ採りはしないようにしましょう。
by RIE KIKKAWA
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