先日2015年4月28日、比婆道後帝釈国定公園の吾妻山(標高1239m)へ出かけてきました♪
ご存知の方もいらっしゃると思いまが、吾妻山は山野草の宝庫なのです!
庄原市といえど、ここは標高1000m周辺。ようやく雪が解けて春の訪れを感じる頃です。
吾妻山のふもと、標高約1000mに位置する休暇村吾妻山ロッジ(広島県庄原市比和町森脇)に車を止めてスタートです。
今回、ガイドをお願いしたのは、吾妻山ロッジ山野草ガイドの竹田至さん。
どうぞよろしくお願いします♪
ダイセンキスミレ
最初に出迎えてくれたのは、高さ10センチも満たない小さな黄色スミレ。鳥取県の大山で初めて見つかったことからダイセンという名前がつけられました。
まだ緑の少ない山裾に、ところどころに黄色の絨毯が広がっています。
タチツボスミレ
スミレの花の中で一番よく目にする種類かもしれません
吾妻山ロッジと庄原市比和町森脇の景色
途中地点で後ろを振り向けば、スタート地点の休暇村吾妻山ロッジが小さく見えます。
地元の比和小学校の児童達が遠足で吾妻山の頂上を目指して登っています。ここまで子供たちの可愛い声が響いてきます。
ショウジョウバカマ
不思議なことに、この花は横向きにしか咲きません。
吾妻山山頂(標高1239m)
約30分ほどで山頂に到着~~~\(^o^)/
後ろに見えるのは島根県側(日本海側)になります。空が澄んでいたら大山を見ることができるのですが、残念ながら今日は姿を見せてくれそうにありません。
キンボウゲ
昔、まだ吾妻山に牛が放牧されていた頃、この花が一面に咲き誇り美しい黄色の絨毯をつくっていたそうです。賢いことに牛はこの花が毒性を持っていることを知っていて口にしません。そのため一面にキンポウゲの花が広がり群生していたのだと教わりました。
現在の吾妻山では牛の放牧は行われておらず人の手で草刈をおこなっているため、残念ですが、その光景を見ることは難しいようです。
キジムシロ
日当たりのよい所に咲く、バラ科の小さな花です。
山頂から眺める庄原市側の景色です。
実はこの吾妻山、砂鉄を採り鉄をつくっていた「たたら製鉄」でも有名な地でもあります。
そして、吾妻山の名前の由来は、伊邪那岐命(イザナギノミコト)が比婆山に眠る妻の伊邪那美命(イザナミノミコト)を「ああ。我妻よ」と山頂から叫び、生前をしのんだことから吾妻山と呼ぶ
ようになったと言われています。
休憩を終えて、下山開始
行きのルートとは別の道を下っていきます。
天然芝生を踏みしめながら野花の話で盛り上がる私たち(笑)
ミヤマカタバミ
葉は愛らしいハート型。曇りや雨の日には花は閉じてしまいます。
タチツボスミレの群生
野草がある度に立ち止まり話を聞いていく。これじゃあ、なかなか先には進めませんね(笑)
ただ歩くだけでなく、目で見て感じ、肌で風を感じる。これが私の好きな山歩きです♪
美しい鳥のさえずり
ミソサザイが声高々にさえずっています(鳴き声をご紹介できずゴメンナサイっっ)
春は動物たちにとって忙しい恋のシーズン♪多くの鳥は、オスがさえずりメスを呼んでいます。
よくこの辺りに巣を作っているんだけどな~と、竹田さんが沢の岩陰を教えてくれるのですが、残念ながら目で鳥の姿を見つけることができず・・・。
ネコノメソウ
特徴のある名前だから覚えやすい野花です。拡大鏡でこの花の中心を覗いてみてください。
確かに猫の目によく似ていることが分かりますよ!
ミヤマキケマン
キケマン属には沢山の種類がありますが、よく見る紫色をしたものはムラサキケマンです。
ヤマドリカクシ
これは新芽ですが、成長する大きいもので人の腰丈あたりまで育つものもあります。山鳥が隠れるほど大きいということから、山鳥隠しという名前だそうです。
ミズバショウ
雪が溶けだすとすぐに咲きだす春の訪れを告げる花。湿地を好み群生します。花が終わる頃から葉が伸び始め夏には1m近く成長します。
大池で鯉にエサやり♪
休暇村吾妻山ロッジの裏手まで戻ってきました。鯉たちが人の気配を察して、足元に集まってきます。
ついつい、いつも立ち止まってしまう大池。吾妻山ロッジのフロントで鯉の餌1袋100円で販売してますよ~
モグラ塚
低地や草原、農耕地から山地の森林など土壌が豊かな場所に生息するモグラたち。吾妻山でも、いたるところで、モグラがトンネルを掘った時にかきだした土を目にすることができます。
吾妻山ロッジに到着♪
竹田さん、今日は本当にありがとうございました。とても勉強になりました!!
歩いた後は、吾妻山の自然を満喫しながら木陰でほっこりティータイム。吉川さんの手作りスコーンやヨーグルトケーキ、比和産のブルーベリージャムに下鼓……大満足な一日です。
吾妻山で山野草が一番楽しめる季節は5月~6月、そして9月~10月頃だそうです。2時間あればロッジに戻ってこれるルートですので、初心者の方にもお勧めです。ぜひお立ち寄りください。
※吾妻山の自然を後世に残すため、必ずゴミは持ち帰る、動植物の採集・採取はしない、登山道を外れて歩かない、などのルールを守りましょう。
Written by MITSUE IMURA/Photos taken by RIE KIKKAWA
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